「誰も住んでいない実家、固定資産税が安いからとりあえずそのままにしている」
もし、あなたがそう考えているなら、それは非常に危険な賭けです。法律が厳格化され、ただ家があるだけでは節税にならなくなったのをご存知でしょうか?
自治体から「特定空家」や「管理不全空き家」に認定されると、ある日突然、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる通知が届くことになります。
なぜ「6倍」になる?空き家増税のカラクリ
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という減税措置が適用されています。
- 200平米以下の部分: 評価額の 1/6 に減額
- 200平米超の部分: 評価額の 1/3 に減額
しかし、空き家対策特別措置法の改正により、「管理が悪い空き家」はこの特例の対象から外されることになりました。1/6に減額されていたものが元に戻るため、実質的な負担額が「6倍」になるのです。
全国平均の取引価格(約2,717万円)の物件で試算すると、通常の固定資産税は年間約4.4万円。しかし特定空家に指定されると、年間約26.4万円にまで跳ね上がります。
10年間放置した場合の累積コストは、通常なら約74万円ですが、特定空家指定後は約294万円。その差は約220万円です。
どこからがアウト?「特定空家」と「管理不全空き家」
2023年の法改正で、「このまま放置すると危険になる恐れがある家(管理不全空き家)」も増税の対象になりました。「まだ大丈夫だろう」と思っているレベルでも、アウトになる可能性が高まっています。
行政がチェックする4つの危険ポイント:
- 倒壊の危険: 屋根が変形、柱が傾いている、基礎がひび割れている。
- 衛生上の問題: ゴミが散乱、害虫・害獣が発生している。
- 景観の悪化: 雑草が繁茂して建物を覆っている。
- 生活環境への悪影響: 庭木が越境、不審者の侵入痕跡がある。
通知が届いたらどうなる?増税までのカウントダウン
STEP 1:調査と指導(まだセーフ)
自治体から「空き家の適正管理のお願い」文書が届きます。この段階で対応すれば増税は回避できます。
STEP 2:勧告(ここで増税決定!)
「勧告」が出された時点で、住宅用地特例(1/6減税)が解除されます。翌年の固定資産税から増税が確定します。
STEP 3:命令・代執行(強制解体)
さらに無視すると、罰金(過料50万円以下)が科され、最終的には行政による強制解体(行政代執行)が行われ、費用は全額所有者に請求されます。
「特定空家」を回避するための手順
手順1:定期的な維持管理を行う
民間の「空き家管理サービス」(月額5,000〜15,000円程度)を利用して、管理している実績を作ることが重要です。
手順2:解体して更地にする
更地にすると住宅用地の特例が消滅するため、固定資産税は高いままです。解体する場合は、速やかに土地を売却する計画を立てましょう。
手順3:現状のまま売却・譲渡する(推奨)
最も確実な解決策です。所有権を手放せば、税金も管理責任もすべてなくなります。まずはプロの査定を受けることが第一歩です。
増税通知が届く前に、まずは査定で「出口」を確認


