「実家を相続したが、不動産屋に『再建築不可』だから値段がつかないと言われた」
「建て替えができない古い家、どう処分すればいいのかわからない」
再建築不可物件(さいけんちくふかぶっけん)は、不動産業界の中でも特に取り扱いが難しく、一般の不動産会社では「うちでは扱えません」と断られてしまうケースが後を絶ちません。
しかし、「建て替えができない=価値がない(ゴミ)」ではありません。
正しい知識と、再建築不可ならではの「活用の抜け道」を知っていれば、現金化したり活用したりすることは十分に可能です。
この記事では、途方に暮れている所有者の方に向けて、再建築不可物件の「リスク」と「具体的な4つの出口戦略」を解説します。
そもそも「再建築不可」とは?なぜ売れない?
まず、なぜあなたの家が「建て替えられない」のか、その理由を簡単におさらいしましょう。
建築基準法には「接道義務(せつどうぎむ)」というルールがあります。
【接道義務】
幅員4m以上の道路に、敷地の間口が2m以上接していなければならない。
このルールができる前(昭和25年以前など)に建てられた家や、他人の土地を通らないと道路に出られない(囲繞地)場所にある土地には、「今ある家を壊したら、もう新しい家は建ててはいけません」という制限がかかります。
なぜ普通の不動産屋は嫌がるのか?
最大の理由は「住宅ローンが組めないから」です。
銀行は、担保価値の低い再建築不可物件には基本的に融資をしません。つまり、買い手は「現金一括払いができる人」に限られてしまうため、圧倒的に売りづらくなるのです。
⚠️ 【絶対厳守】やってはいけないこと
それは、「更地(さらち)にしてしまうこと」です。
建物があるうちは、「リフォームして住む」という選択肢が残されています(※建築確認申請が不要な範囲のリフォームに限る)。
しかし、古くてボロボロだからといって解体して更地にしてしまうと、法律上、二度と建物が建てられない「ただの資材置き場」になってしまいます。
こうなると、駐車場にできるような場所でない限り、課税だけが続き、売るに売れない本当の「負動産」になります。
「再建築不可物件は、絶対に解体しない」 これが鉄則です。
どうする?再建築不可物件の「出口戦略」
1. 「フルリノベーション」で再生する
建て替え(新築)はできませんが、「改修(リフォーム)」は可能です。
基礎や柱などの主要構造部を残したまま、内装や設備をすべて新しくする「スケルトンリフォーム」を行えば、新築同然の住み心地にすることができます。
- メリット: 住める状態になれば、高利回りの賃貸物件として収益化したり、実需(住みたい人)へ売却できる可能性が高まる。
- 注意点: 数百万〜一千万円単位の工事費がかかる(現金が必要)。
2. 隣の家の人に買ってもらう
実は、再建築不可物件を一番高く買ってくれる可能性があるのは「お隣さん」です。
隣地所有者があなたの土地を買い取って自分の土地と合筆(がっぴつ)することで、「接道義務」を満たせるようになり、土地全体の価値が爆発的に上がるケースがあるからです。
- メリット: 相場に近い価格、あるいはそれ以上で売れるチャンスがある。
- 注意点: 隣人との関係性が重要。足元を見られることもある。
3. 接道条件をクリアする(セットバック・等価交換)
物理的に土地の条件を変えて、再建築「可能」な土地にする裏技です。
- セットバック: 敷地を後退させて道路中心線から2mの距離を確保する。
- 隣地の一部購入: 隣の土地を少しだけ売ってもらい、接道間口を2m以上にする。
4. 「再建築不可専門」の買取業者に売る
これが最も現実的で、手離れが良い解決策です。
世の中には、訳あり物件を専門に買い取る不動産会社が存在します。彼らは独自の再生ノウハウと資金力(ローンを使わない)を持っているため、一般の不動産屋が断る物件でも買い取ってくれます。
- メリット: 現状のまま(荷物が残っていても、ボロボロでも)売却できる。契約不適合責任(売却後の責任)を免除してくれることが多い。
- デメリット: 一般市場価格よりは安くなる。
一般の不動産屋に断られても諦めないで
もし、あなたが近所の不動産屋に相談して「この家は値段がつかない」「取り扱えない」と言われても、落ち込む必要はありません。
それは、「その不動産屋が再建築不可物件の扱い方を知らない(または買い手を持っていない)」だけです。
「餅は餅屋」と言われるように、このジャンルには専門のプロがいます。
あなたが取るべき次のアクション:
- 絶対に解体しない(更地にしない)。
- お隣さんに興味がないか、それとなく聞いてみる。
- ダメなら、一般の仲介ではなく「再建築不可物件の買取に強い業者」を探して査定に出す。



