空き家売却の完全ガイド|放置は危険?相続した家の処分手順と損しないポイント
空き家処分の基礎知識

空き家売却の完全ガイド|放置は危険?相続した家の処分手順と損しないポイント

「実家を相続したが、誰も住む予定がない」
「遠方の空き家、管理に行けず草むしりや空気の入れ替えが大変」
「とりあえず放置しているけれど、固定資産税だけ払い続けている」

今、このような「空き家」に関する悩みを抱えている方が急増しています。
人が住んでいない家は、驚くほどのスピードで傷みます。さらに、「いつか売ろう」と先送りにしている間に、資産価値が下がるだけでなく、税金面で大きな損をしてしまうリスクがあることをご存知でしょうか?

この記事では、初めて空き家を売却する方に向けて、売却の全体像から、空き家特有の注意点、税制優遇を受けるためのポイントまで、全国353,021件の実取引データをもとに分かりやすく解説します。


なぜ「今」売るべき?空き家放置のリスク

まず、なぜ空き家を早めに処分・売却すべきなのか、その理由を明確にしておきましょう。

1. 「特定空家」指定で固定資産税が6倍に!?

2015年の法改正により、倒壊の恐れや衛生上問題がある「特定空家」に指定されると、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、税額が最大6倍にはね上がる可能性があります。さらに2023年の改正では「管理不全空き家」という新カテゴリが追加され、「まだ大丈夫だろう」と思っているレベルでも増税対象になるリスクが高まっています。

2. 「3,000万円特別控除」には期限がある

相続した空き家を売却する場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。しかし、これには「相続開始から3年後の12月31日まで」という期限があります。これを過ぎると税金が数百万円変わることも珍しくありません。

3. 建物の劣化と資産価値の急速な目減り

近隣クレーム、放火のリスク、庭木の越境…。所有しているだけで、管理者としての法的責任が問われます。そして何より深刻なのが、時間の経過とともに加速度的に進む資産価値の下落です。

このデータが示すとおり、築26年以上の「築古」物件では、築浅時の46%まで価格が下落。さらに旧耐震基準に該当する築41年超の物件では、わずか31%しか資産価値が残りません


データで見る「古くても売れる」という事実

「もう古すぎて売れないのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。しかし、全国の取引データを見ると、市場で実際に売買されている物件の多くが「築古」であることがわかります。

築26年以上の物件が全取引の約44%を占めており、「古い家は売れない」というのは完全な誤解です。


空き家売却のパターン:現状渡しか?更地か?

売却方法メリットデメリット
古家付き土地解体費用不要
固定資産税が安い
見栄えが悪い場合あり
瑕疵担保責任リスク
更地渡し買い手がすぐ建築可
売れやすい
解体費用が先行出費
固定資産税が高くなる

【重要】自己判断で先に解体しないこと!

「更地にした方が売れるだろう」と自己判断で解体するのは危険です。エリアによっては「リノベーションして住みたい」という需要があるかもしれません。解体すべきかどうかは、不動産会社の査定を受けてから判断するのが鉄則です。


【ステップ別】空き家売却の具体的な流れ

空き家売却の全体期間は一般的に3〜6ヶ月です。

STEP 1:相続登記と荷物の整理

相続した物件の場合、名義が亡くなった親のままでは売却できません。まずは法務局で「相続登記(名義変更)」を済ませましょう。2024年4月から相続登記が義務化されており、正当な理由なく3年以内に登記しない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

STEP 2:不動産会社による査定【最重要】

重要なのは、必ず複数社に査定を依頼すること。A社は「建物価値ゼロ、500万円」と言ったのに、B社は「現状のまま800万円で売りましょう」と提案してくるケースは珍しくありません。

STEP 3:媒介契約・販売活動

不動産会社と契約を結び、売りに出します。空き家の場合、鍵を不動産会社に預けて、内覧対応をすべて任せるケースが一般的です。

STEP 4:売買契約・決済・引渡し

買主が決まれば契約です。空き家売却では「契約不適合責任」を免責にする特約をつけるケースも多くあります。

STEP 5:確定申告(売却翌年)

売却した翌年の2月〜3月に確定申告が必要です。特に3,000万円特別控除を利用する場合は、確定申告が必須です。


空き家売却で失敗しないための業者選び

業者選びのチェックポイント

  • 空き家や訳あり物件の売却実績があるか
  • その地域の相場や需要を把握しているか
  • 買取と仲介の両方の選択肢を提案してくれるか
  • 税金の特例や補助金について知識があるか

まとめ:まずは「自分の家の可能性」を知ることから

全国のデータが示すとおり、築古物件でも毎年数万件が実際に売買されています。まずは、現状のままで構いませんので、複数の不動産会社に査定を依頼してみてください。

あなたの家の本当の価値、調べてみませんか?