古い家はいくらで売れる?|築年数別の実取引データで見る相場と高く売る条件
価格査定と会社選び

古い家はいくらで売れる?|築年数別の実取引データで見る相場と高く売る条件

「築40年の実家、値段なんて付かないのでは」
「古い家はいくらで売れるのか、査定に出す前に相場を知りたい」
「不動産会社に『建物価値ゼロ』と言われたが、本当だろうか」

古い家の売却で最初につまずくのが、「相場がまったく分からない」という問題です。この記事では、国土交通省「不動産取引価格情報」に基づく全国353,021件の実取引データを分析し、築年数別の平均価格・下落率を数字で示します。あわせて、築古でも高く売るための条件と、査定に出す前の準備までを解説します。


築年数別の平均価格:353,021件の実取引データで見る相場

まずは結論となるデータからご覧ください。以下は、国土交通省が公開する全国の実取引データ353,021件を築年数帯ごとに集計した、平均価格と価格の残存率です。

築年数帯平均価格築浅比の残存率
築浅(0〜5年)4,044万円100%
中堅(6〜15年)3,517万円87%
やや築古(16〜25年)2,800万円69%
築古(26〜40年)1,852万円46%
極古・旧耐震(41年〜)1,246万円31%

このデータが示すとおり、築26年以上になると価格は築浅時の46%まで下落し、旧耐震基準に該当する築41年超では31%まで下がります。それでも平均価格は、築26〜40年で1,852万円、築41年超でも1,246万円。「古い家=値段が付かない」わけではないことが、実取引の数字から分かります。

※上記は全国平均です。実際の価格は立地・土地の広さ・状態によって大きく変わるため、あくまで目安としてご覧ください。


「古い家は売れない」は誤解:取引の約44%が築26年以上

「うちのような築古を買う人がいるのか」という不安に対しても、データは明確な答えを示しています。

築年数別の取引件数を見ると、**築26年以上の物件が全取引の約44%**を占めています。特に築41年超の「極古・旧耐震」の物件だけでも9万件を超える取引が成立しており、市場で実際に売買されている物件の多くが「築古」なのです。

背景には、次のような買い手側の事情があります。

  • 土地として評価する買い手:建物ではなく立地を買い、建て替えやリノベーションを前提とする
  • 中古リノベ需要の拡大:新築価格の高止まりで、安く買って自分好みに直す層が増加
  • 買取業者の存在:再販・活用を前提に、古い家をそのまま買い取る専門業者がある

「古すぎて売れない」と自己判断で諦めるのは、もったいない選択です。


相場は下がり続けていない:年次の価格推移

「待てばもっと下がる前に売るべきか」「今は売り時なのか」という疑問には、年次の価格推移データが参考になります。

全国の平均取引価格は、2021年の2,695万円から2024年の2,717万円まで、おおむね2,600万〜2,700万円台で安定的に推移しています。市場全体が急落しているわけではない一方で、個々の建物の価値は築年数の経過とともに確実に目減りしていきます。前述のとおり、築16〜25年(残存率69%)から築26〜40年(同46%)への下落幅は特に大きく、売却を迷っている間にも物件単位では価格が下がり続けるのが実情です。売り時の考え方は空き家売却のタイミングでも詳しく解説しています。


築古でも高く売るための3つの条件

同じ築年数でも、売れる価格には大きな差が出ます。実取引データと売却実務から見えてくる、高く売るための条件は次の3つです。

1. 「土地の価値」を正しく評価してもらう

築古物件の価格の大半は土地代です。接道条件・土地の形状・周辺の再開発計画などで土地評価は大きく変わるため、その地域の相場に詳しい不動産会社に査定してもらうことが第一条件です。

2. 自己判断で解体・リフォームしない

「更地にした方が売れる」「直してから売ろう」という自己判断は禁物です。解体すると固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がるうえ、エリアによっては古家付きのまま売った方が高くなるケースもあります。リフォーム費用も売却価格に上乗せできるとは限りません。手を入れる前に、まず現状のまま査定を受けるのが鉄則です。詳しくは空き家売却の完全ガイドをご覧ください。

3. 複数社の査定額を比較する

築古物件は会社によって評価の考え方が分かれるため、査定額の差が特に大きくなりがちです。A社は「建物価値ゼロで500万円」、B社は「リノベ需要があるので800万円」ということも珍しくありません。最低でも3社以上に査定を依頼し、比較することが高く売る最大の条件です。仲介で買い手が付きにくい状態の家なら、専門の買取業者に相談する選択肢もあります(買取価格は一般に市場価格の6〜8割が目安です)。


査定に出す前の準備・注意点

査定額の精度と売却のスムーズさは、事前準備で変わります。次の4点を確認しておきましょう。

  • 名義の確認:相続した家は、相続登記(名義変更)が済んでいないと売却できません。相続登記は2024年4月に義務化されており、正当な理由なく3年以内に登記しないと10万円以下の過料の可能性があります
  • 書類の用意:権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、建築確認済証、土地の測量図など。古い家は書類が散逸しがちなので早めに探しておきましょう
  • 境界の確認:古い家は隣地との境界が曖昧なことが多く、境界確定が必要になる場合があります
  • 不具合の把握:雨漏り・シロアリなど把握している不具合は正直に伝えるのが原則です。隠したまま売ると、引渡し後に契約不適合責任を問われるリスクがあります

なお、相続した空き家の売却では、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。期限は相続開始から3年後の12月31日までが目安のため、該当しそうな方は早めに動きましょう。査定額を高く引き出すコツは査定のコツで詳しく解説しています。


まとめ:まずは「自分の家の今の価格」を知ることから

全国353,021件の実取引データが示すのは、築26年以上の家が全取引の約44%を占め、築41年超でも平均1,246万円で取引されているという事実です。価格が築浅時の31〜46%まで下がるのは避けられませんが、「古いから売れない」は誤解です。

大切なのは、解体もリフォームもせず、現状のまま複数の不動産会社に査定を依頼すること。まずは自分の家がいくらで売れるのか、今の価格を確かめるところから始めてみてください。

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