ゴミ屋敷はそのまま売れる?|片付け費用の相場と残置物ごと買取する方法
空き家処分の基礎知識

ゴミ屋敷はそのまま売れる?|片付け費用の相場と残置物ごと買取する方法

「実家が物だらけで、とても人に見せられる状態ではない」
「ゴミ屋敷状態の家を相続してしまった。片付ける気力もお金もない」
「残置物を全部処分しないと、家は売れないのだろうか」

結論からお伝えすると、ゴミや残置物だらけの家でも、そのまま売却する方法はあります。ただし「片付けてから仲介で売る」のと「残置物ごと買取業者に売る」のとでは、手元に残るお金も手間も大きく変わります。

この記事では、間取り別の片付け費用の相場と、どちらの売り方が得になるかの「損益分岐」の考え方を分かりやすく解説します。


ゴミ・残置物があると仲介では売りにくい理由

通常の仲介売却では、購入希望者が実際に室内を見る「内覧」が必須です。ゴミや家財が残ったままだと、次のような理由で売却が難航しがちです。

  • 内覧の第一印象が極端に悪くなる。床や壁の状態が確認できず、買主は値引き前提でしか検討しません
  • 建物の劣化やニオイ・害虫の問題が疑われ、住宅ローンの審査や買主の意思決定に響くことがあります
  • 不動産会社によっては「片付けてからでないと売り出せません」と媒介を断られるケースもあります
  • 引渡しは「残置物なし」が原則のため、契約しても結局は売主負担で撤去が必要になるのが一般的です

つまり仲介で売るなら、遅かれ早かれ片付け費用は発生します。問題は「その費用を払ってでも仲介で高く売るべきか」です。まずは費用の目安を押さえましょう。


間取り別|片付け・残置物撤去の費用相場

不用品回収・遺品整理業者に片付けを依頼した場合の費用目安は、間取りと物量でおおむね次のとおりです(あくまで一般的な目安で、物量・立地・作業条件により変動します)。

間取り費用の目安作業人数・日数の目安
1K・1DK3万〜8万円1〜2名・半日
1LDK・2DK7万〜20万円2〜3名・半日〜1日
2LDK・3DK12万〜30万円3〜5名・1日
3LDK・4DK17万〜50万円4〜6名・1〜2日
一戸建て(4LDK以上)22万〜70万円5名以上・2日〜

さらに、いわゆる「ゴミ屋敷」レベルで天井近くまで物が堆積している場合は、同じ間取りでも1.5〜3倍程度、一戸建てでは100万円を超えることもあります。ゴミの分別・特殊清掃・消臭作業が加わると費用はさらに上がります。

費用を抑えるポイント

  • 複数の業者から相見積もりを取る(金額差が数万〜数十万円出ることも珍しくありません)
  • 買取可能な家電・貴金属・骨董品は買取額と相殺してもらう
  • 自治体の粗大ゴミ回収を併用し、自分で減らせる分は減らす

長期間放置した空き家では建物自体の傷みも進んでいることが多いため、放置した空き家のリスクと対処法もあわせて確認しておくと安心です。


「残置物そのまま買取」の仕組み

一方で、訳あり物件を専門とする買取業者のなかには、家財・ゴミが残ったままの状態で物件ごと買い取ってくれるところがあります。仕組みはシンプルで、買取業者が残置物の処分費用やリフォーム費用を見込んだうえで買取価格を提示し、売主は片付けを一切せずに引き渡せるというものです。

そのまま買取の主なメリットは次のとおりです。

  • 片付け・清掃・修繕が一切不要(現状のまま引渡し)
  • 内覧対応がなく、近所に知られずに売却しやすい
  • 最短数日〜数週間で現金化でき、契約不適合責任も免責にできるのが一般的

ただし買取価格は、一般に市場価格(仲介で売れる想定価格)の6〜8割が目安です。残置物の処分費用ぶんも価格から差し引かれるため、「安くなるのは承知のうえで、手間とリスクをゼロにする」売り方だと理解しておきましょう。


片付けてから仲介 vs そのまま買取|損益分岐の考え方

2つの売り方を比較すると、次のようになります。

比較項目片付けてから仲介残置物そのまま買取
売却価格市場価格(高め)市場価格の6〜8割が目安
片付け費用売主負担(数万〜100万円超)不要(価格に織り込み)
仲介手数料かかる(売買価格の3%+6万円+税が上限の目安)不要が一般的
売却期間3ヶ月〜1年以上のことも最短数日〜数週間
内覧・近所の目ありなし
契約不適合責任原則負う(特約で免責も)免責が一般的
売れ残りリスクあり(その間の税金・管理費も負担)なし

損益分岐の計算式

どちらが得かは、次の手取り額を比べるのが基本です。

  • 仲介の手取り = 仲介想定価格 −(片付け費用 + 仲介手数料 + 売却までの固定資産税・管理費)
  • 買取の手取り = 買取価格(片付け費用ゼロ・手数料なしが一般的)

たとえば仲介想定価格が1,000万円の一戸建てなら、買取価格の目安は600万〜800万円。仲介側から片付け費用50万円、仲介手数料約40万円、売却まで1年かかった場合の税金・管理費を差し引くと、手取りの差は見た目の価格差より大きく縮まります

目安としては、仲介想定価格が高いエリア(数千万円クラス)なら片付けてでも仲介が有利になりやすく、想定価格が数百万円以下の郊外・地方物件では、片付け費用の比率が重くなるためそのまま買取が有利になりやすい、と考えるとよいでしょう。

正確に判断するには、「片付けた場合の仲介査定」と「現状のままの買取査定」の両方を複数社に依頼して比べるのが確実です。査定は無料で受けられるのが一般的なので、片付け前に必ず両方の数字を取りましょう。


売却を進める前の注意点

  • 相続した家なら相続登記が必要です。2024年4月から義務化されており、正当な理由なく3年以内に登記しない場合は10万円以下の過料の可能性があります
  • 相続空き家の売却では**3,000万円特別控除(相続開始から3年後の12月31日までが期限)**を使える場合があります。適用要件は事前に確認しましょう
  • ゴミ屋敷状態のまま放置を続けると、管理不全空き家・特定空家に指定され、固定資産税が最大6倍になるリスクがあります
  • 貴重品・権利証・思い出の品は、業者に片付けを依頼する前に自分で確保しておきましょう

実家の片付けから売却までの全体像は実家じまいの手順と費用で、少しでも高く手放す工夫は空き家の現金化のコツで詳しく解説しています。


まとめ

ゴミや残置物だらけの家でも、売却をあきらめる必要はありません。

  • 片付け費用の目安は1Kで3万〜8万円、一戸建てでは22万〜70万円(ゴミ屋敷レベルなら100万円超のことも)
  • 残置物そのまま買取なら片付け不要・最短数週間で手放せるが、価格は市場価格の6〜8割が目安
  • 得かどうかは価格だけでなく、片付け費用・手数料・売却期間中の税金まで含めた手取り額で比較する

まずは現状のまま、仲介と買取の両方の査定を複数社に依頼して数字を比べることから始めてください。ゴミ屋敷や残置物ありの物件は、訳あり物件を専門とする買取業者に相談すると、現状のままでもスムーズに話が進みます。

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