空き地・空き家の活用

京都市の空き家補助金はもうない?令和8年度に無料で使える相談窓口と専門家派遣

「京都市の実家が空き家になった。市の補助金が使えると聞いたが、今も申し込めるのか。どこに相談すればいいのかも分からない」

京都市には、空き家を売った人の仲介手数料や、解体費の一部を補助する京都市空き家等の活用・流通補助金がありました。ただし京都市の助成制度一覧では、この補助金は令和6・7年度の期間限定とされています。令和8年度の空き家対策の案内(2026年8月更新)にも、この補助金は載っていません。

一方で、無料で使える相談の仕組みは令和8年度も続いています。この記事では、京都市の公式情報をもとに、補助金がなくなった今どこに何を相談すればよいかを整理します。


終わった補助金:何が補助されていたのか

まず、補助金の中身を確認しておきます。京都市の「住宅に関する助成制度」のページに残っている説明は次のとおりです。

区分内容補助額
建物活用補助居住・使用していない建物(共同住宅を除く)を売った元所有者が、市内に本店などを置く不動産事業者に払った仲介手数料の一部仲介手数料の2分の1(上限25万円)
敷地活用補助居住・使用していない建物(共同住宅・重層長屋を除く)を解体し、敷地を活用しようとする所有者の解体費の一部解体費の3分の1(上限60万円。隣の敷地と一体にして狭小敷地を解消する場合は最大20万円を加算)

対象は昭和64年1月7日以前に建てられた建物などで、令和6・7年度の期間限定でした。インターネット上にはこの補助金を「使える制度」として紹介する記事がまだ残っているので注意してください。令和8年度以降に同様の補助が再開されるかどうかは、京都市の公表を確認する必要があります。

京都市の空き家の状況:空き家率は12.5%、市場に出ていない空き家は4万4,300戸

京都市の資料によると、令和5年住宅・土地統計調査で京都市の**空き家率は12.5%(10万5,300戸)**でした。京都府(13.1%)や全国(13.8%)が過去最高を更新するなかで、京都市は前回調査から0.4ポイント下がっています。京都市は平成26年に「京都市空家等の活用、適正管理等に関する条例」を制定して空き家対策を続けてきました。

区別に見ると、空き家率が高いのは次の区です。

区空き家率空き家数
東山区16.4%3,890戸
下京区15.7%9,040戸
南区13.9%8,280戸
山科区13.7%10,470戸
上京区13.2%7,370戸
市全体12.5%10万5,300戸

空き家の数が最も多いのは伏見区の1万9,470戸です。また、賃貸用・売却用・別荘などを除いた「市場に流通していない空き家」は4万4,300戸でした。売りにも貸しにも出されないまま置かれている空き家が、市内にこれだけあるということです。相談の仕組みが用意されているのは、こうした空き家を動かすためです。

区ごとの売却相場は、東山区や下京区など、各区のページで確認できます。

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令和8年度に無料で使える4つの相談

京都市の「空き家対策総合案内」に載っている相談の仕組みを、使い方ごとに整理しました。いずれも相談自体は無料です。

相談先どんなとき方法予約
① 地域の空き家相談員まず気軽に聞きたい/売る・貸すの相場感を知りたい不動産店に来店・電話・オンライン相談員ごとに対応
② 空き家相談員による不動産無料相談会対面で、利害関係のない場で相談したい区役所・支所が会場要予約
③ オンライン相談京都市外に住んでいる/平日日中にZoomで話したいZoom(1組40分以内)申込日から2週間以降
④ 空き家活用・流通支援専門家派遣制度建物の状態を見たうえで、売り方・直し方の助言がほしい建築士と相談員が現地に来る要申請

① 京都市地域の空き家相談員

京都市の研修を受けた、地域の「まちの不動産屋さん」です。京都市の説明では、宅地建物取引士の資格を持ち、5年以上の実務経験があり、市内で269名が活動しています(令和7年10月8日現在)。

相談は無料で、相談したからといってその相談員に仲介などを頼む必要はありません。他の相談員や不動産事業者に相談してもかまいません。賃貸や売却を実際に依頼する場合は、通常の不動産取引と同じ費用がかかります。相談員は京都市の検索ページから探せます。

② 区役所・支所での不動産無料相談会

すべての区役所・支所を会場に、空き家相談員による無料相談会がほぼ毎月開かれています(要予約)。特定の不動産店に出向く前に、まず話を聞いてもらいたい場合に向いています。

③ オンライン相談

自宅のパソコンやスマートフォンから、Zoomで空き家相談員に相談できます。京都市内に不動産を持つ人や管理者が対象で、将来の相続人も含まれます。開催は市役所の開庁日(平日の午前9時30分〜11時30分、午後1時30分〜5時)で、1組40分以内です。希望日の2週間前までに申込フォームから申し込みます。実家が京都で、自分は遠方に住んでいる人にはこれが使いやすいはずです。

④ 空き家活用・流通支援専門家派遣制度

令和8年度の支援の中心がこの制度です。建築士と地域の空き家相談員が空き家の現地に来て、賃貸や売却の方法、相場、修繕が必要な箇所と費用の目安などについて助言します。費用は無料です。

項目内容(京都市の案内より)
対象の空き家京都市内の一戸建て・長屋建ての住宅の空き家、またはおおむね1年以内に空き家になる予定の建物(店舗併用住宅も可。倉庫・集合住宅・別荘は対象外)
申請できる人空き家の所有者、管理者、所有者から委任を受けた人
派遣日申請日から3週間後以降で、希望日をもとに決定
回数同じ空き家への派遣は2回まで
申請方法申請書をFAX・郵送・空き家相談窓口に提出、または申請フォーム(電話での申請は不可)
受付先着順。予算額に達した時点で締め切り

派遣のあと、相続人が多い、相続人が遠方にいるなど相続や登記で困っている場合は、司法書士にも無料で相談できます。空き家になる前の段階から使える点も特徴です。親が施設に入る予定がある、といった段階で申し込めます。

このほか、地域の集まり(おおむね5名以上)に司法書士や相談員が来て相続などの講座を開く**「住まいの将来を考えるおしかけ講座」**も無料で実施されています。

税の特例に必要な確認書も、窓口で発行している

相談とあわせて覚えておきたいのが、税金の特例に必要な書類です。京都市は空き家相談窓口(都市計画局住宅室住宅政策課)で、次の確認書を発行しています。

  • 被相続人居住用家屋等確認書:相続した家や、取り壊した後の土地を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を差し引く特例の確定申告で必要になる書類
  • 低未利用土地等確認書:一定の要件を満たす低未利用土地等を売ったときに、長期譲渡所得から100万円を差し引く特例で必要になる書類

相続した家を売る予定がある場合は、売却前から要件を確認しておくと安心です。空き家の3,000万円特別控除のしくみと手取りの計算は空き家を売ると手元にいくら残るかで解説しています。適用できるかどうかの最終判断は、税務署や税理士に確認してください。

相談先の選び方:売るか、貸すか、まだ決めていないか

迷ったときは、次の順番で考えると無駄がありません。

  1. まだ何も決めていない → ③オンライン相談か②区役所の相談会で、選択肢と相場感を聞く
  2. 建物の状態が分からない/直すべきか迷う → ④専門家派遣で、建築士に現地を見てもらう
  3. 売る・貸すと決めた → ①空き家相談員や不動産事業者に具体的に依頼する。京都市版空き家バンク「京都安心すまいバンク」に登録して買い手・借り手を探す方法もある(空き家バンクの使い方)

京都市では、空き家税(非居住住宅利活用促進税)の課税開始が令和12年度に予定されています。持ち続けるといくらかかるかは京都市の空き家税の対象と税額で確認できます。建物が京町家で、路地の奥にある場合は、解体の届出や再建築の可否も関わります。京町家・路地奥の家を売るときの注意点もあわせて読んでおくと判断しやすくなります。

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よくある質問

Q. 京都市の空き家を売りたいのですが、どこに相談すればよいですか?
A. 京都市の「地域の空き家相談員」に無料で相談できます。相談員は京都市の研修を受けた宅地建物取引士で、市内で269名が活動しています(令和7年10月8日現在)。対面なら区役所・支所の無料相談会(要予約)、遠方ならZoomのオンライン相談も使えます。売却を実際に依頼する場合は、通常の仲介手数料などがかかります。

Q. 京都市の空き家の補助金は、今も申し込めますか?
A. 仲介手数料や解体費を補助する「京都市空き家等の活用・流通補助金」は、令和6・7年度の期間限定の制度でした。令和8年度の空き家対策の案内には載っていません。令和8年度は、無料の専門家派遣や相談の仕組みが中心です。最新の状況は京都市空き家相談窓口(075-231-2323)で確認してください。

Q. 相談したら、その不動産店に売却を頼まないといけませんか?
A. 京都市は、空き家相談員に相談したからといってその相談員に仲介などを依頼する必要はなく、他の相談員や不動産事業者に相談してもかまわないとしています。

Q. 近所の空き家が荒れていて困っています。どこに伝えればよいですか?
A. 京都市の「空き家対策総合案内」に、近所の空き家で困っている場合の問合せ先が案内されています。空き家相談窓口を担当する京都市都市計画局住宅室住宅政策課(空き家対策担当 075-222-3667)でも確認できます。

まとめ

  • 京都市空き家等の活用・流通補助金(仲介手数料の1/2・上限25万円、解体費の1/3・上限60万円)は令和6・7年度の期間限定で、令和8年度の案内には載っていない
  • 京都市の空き家率は12.5%(10万5,300戸、令和5年)。市場に流通していない空き家は4万4,300戸。空き家率は東山区16.4%、下京区15.7%が高い
  • 令和8年度に無料で使えるのは、地域の空き家相談員(市内269名)、区役所・支所の無料相談会、Zoomのオンライン相談、建築士と相談員が現地に来る専門家派遣
  • 専門家派遣は一戸建て・長屋建てが対象で、空き家になる予定の段階から使える。先着順で、予算に達すると締め切り
  • 3,000万円特別控除などの税の特例に必要な確認書は、京都市空き家相談窓口で発行している
  • 補助金がないからといって放置せず、無料の相談で「売る・貸す・持ち続ける」の比較から始めたい

空き家相談窓口の受付時間は、平日の午前9時〜11時30分、午後1時〜4時30分です(土日祝・年末年始を除く)。相続登記は司法書士、税の扱いは税務署や税理士にご相談ください。

参考にした公式情報

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